INTERVIEW

日本人のクリエイティビティを広げるキッカケに

2023.06.08 | ファッションプランナー 菅井 利明

業態は違えど、同じアパレル業界に長年身を構え、
培ってきたクオリティやアイディアを通して見えたSWEAT.jpの真の姿とは。

菅井 利明

古着屋、セレクトショップを経て文化服装学院、在学中から生産会社でパタンナー兼、
生産管理としてコレクションブランドから裏原まで数々のブランドと携わる。
その後アクセサリーメーカーで海外バイヤーやMDを担当。
現在の会社でアパレル部署として在籍しながらPBブランド「cancan」のデザイン等担当。

すぐにでもやりたかった3型

僕はSARUCOという映像制作会社で、営業兼ひとりアパレル部みたいな感じで活動しています。今までずっとアパレル畑にいたので、服飾や小物のOEM、企画、ブランドコンサルやディレクション的な取組みもしております。
その中でプライベートブランドとして2017年に発足し、2021年に本格的にスタートしたのがcancanです。
cancanは僕1人がやっているわけではなく、会社のチームでやっていて、僕はデザイン、ディレクション、生産管理のポジションで定期的にリリースをしております。

今回作成した3型は、チームの士気を上げる言わばスタッフウェア。
今後の予定でもあるイベントや展示会で各地に巡業する事をイメージし、それに関わるクルーを意識してデザインしました。
cancanの代表のアイコンでもあるcancanサークルロゴマークと、「RANDY」というキャラクター。
RANDYは、架空のアメリカ人のキャラクターで、70年代ローブロー、アメコミ調の抜けたオリジナルキャラ。このRANDYは、cancanのアイテムの取説をするキャラクターで、その中で日常も少し便利に楽しくなっていくという構成になってます。今後も商品の広がりと共にRANDYの仲間達のキャラクターなども考えてます。
この二、三年、声をかけてくれたイベントが、コロナで全部止まっちゃって。。
なので、この辺は温めていた企画でもありますし、SWEAT.jpさんからこのお話をいただいたときは、すぐにでもやりたかったこの3型を作らせていただきました。

ボディはそもそも知っていたので、着心地はわかっていました。このシルクのノリがすごくいいですね。ノベルティ屋さんとかのTシャツって、もうちょっとスレてたりとか、厚みがなかったりとかするんですよ。そういう感じが出るかなと思っていたんですが、かなりインクが厚くのっている。ストリートだとみんな、厚盛りが好きなので(笑。色も発色もすごくいいですね。いやあ、本当にめちゃくちゃ綺麗。
出来上がったプリントは、僕が望んでいたDIYでやっている感じが出ていて、本当に綺麗です。この短期間で、すごくいい。本当に素晴らしいですね。
「1個刺繍にしとけばよかった」とか、今後のアイディアが沸きますね。

相乗効果をつくる

僕はかれこれ20年ぐらいアパレル業界にいます。それこそバンドの人達などが服飾のバックボーン有る無し関係なくスタートしたブランドがポーンと売れた時代に「Tシャツ作ってよ」から始まっていて今に至ります。
ですので通常に取組みしているのは専門のプロの工場や業者さんです。

最近はSWEAT.jpさんみたいに、身近にプリントなど二次加工等ができる業態が増えてきた事は僕もわかってはいたんです。
でも実際に利用したのは初めてで、思っていたよりもクオリティーが良かったので、正直驚いてます。
僕らの商売上がったりかなと(笑)。。
でもアパレル業者を知らない一般の人達にとってSWEAT.jpさんが入口になって「自分達のオリジナルのウェアーが手軽にできて楽しい!」を知ってもらう事が出来る。その中でさらに追求していく人達が、オリジナルボディーやこだわりの仕様を欲した時に、僕などのアパレル業者に頼めば良いので、相乗効果になれば良いなと思いました。

背景が広がった気がします

フリマアプリやリサイクル屋さんなどで十分というか、現状生活する中で服は優先順位が低く、欲しい物リストを作ってバイトに励んだり、「キャッシュカード上限額パンパンまで普通買うでしょ?」など自分の様なミーハーで服大好き人間が少なくなってきているイメージもあります。
ただSNSなどで表現や商売形態がし易くなっている良い時代なので、これからの次世代も含めて「簡単にクオリティーの高いTシャツとかパーカーできるじゃん」とか「仲間内で小物とか雑貨とか色々できるじゃん」からスタートして「オリジナルフォントでやりたいからイラレ覚えよう!」とか「画像とか◯◯風にアレンジしたいから写真学ぼう!」とかのクリエイティブやファッションへのキッカケに凄くなると思うんですよ。
今までは、業者にお願いするのも仕切りが高かったり、一々工程や確認、時間が凄く掛ってしまい出来てもイメージとかけ離れてマイナスイメージも多く、無駄に資金も掛かってしまってました・・
それらを踏まえてSWEAT.jpさんは、ファッション界のキッカケやパイを大きくしてくれている業態・サービスだと思います。これからはフラットに僕らみたいな生産側のメーカーや企業と一緒に取り組んだりして盛り上げていければ面白いと思います。

今回も本当に短期間の中で「ここの線は、あと2mm太くしないと出ない」とか、「この手法だとイメージに近く表現できますよ」など、的確な指示をストレスなく頂けた驚きもあって B to C だけでなく B to B としてのお付き合いも出来ると思いました。これをキッカケに何か一緒のプロジェクトなども出来たら嬉しいですし、一つ背景が広がった気がします。

サイトで岐阜の現場の様子や、BASEと連携して受注生産出来る所を拝見しました。受注生産システムを個人が手軽に出来るって、今までは考えられないですからね。システムに凄く力が入っていらっしゃるなと感じました。
その割に金額面、全てが良心的・・僕は生産側として原価等がわかっているので、これだったら頼むでしょ、と思います。
カラーバリエーションや技法も多いですし、ボディーもメーカーなども豊富で安心。只々凄いなとも思います。

菅井 利明

古着屋、セレクトショップを経て文化服装学院、在学中から生産会社でパタンナー兼、
生産管理としてコレクションブランドから裏原まで数々のブランドと携わる。
その後アクセサリーメーカーで海外バイヤーやMDを担当。
現在の会社でアパレル部署として在籍しながらPBブランド「cancan」のデザイン等担当。